日本における学術研究のグローバル化・その2
その問題と解決方法
それでは、日本にとってグローバル化の妨げとなっていた要因は何でしょうか。それは、言葉の壁と、世界標準の大学暦と日本の大学暦のミスマッチという2つの要因だと考えられます。現在は、これら2つの阻害要因に対応すべく、日本が、真にグローバルな研究拠点になるための取り組みが行われています。一部の大学では、既に、学部で英語のプログラムを導入し始めています。例えば、東京大学では、全て英語で行われる学部が新たにスタートしました。また、英語で授業が行われている大学院が50以上も存在しています。
海外の大学暦と日本の大学暦のミスマッチの改善については、日本の教育システムの完全なオーバーホールが必要となるため時間がかかりますが、現在、既に検討の対象となっています。最近では、東京大学も4学期制への移行を発表しており、2015年末までに全学部に導入することを予定しています。実現すると、東京大学の2学期目が9月から始まるため、外国人学生にとっても入りやすくなりますし、日本人学生も6月〜8月の夏休みを利用して海外留学することができます。早稲田大学には、同様の目的として、海外の研究者に魅力を持ってもらうよう、2学期制に代わるものとして「クォーター制」を導入しています。
日本の「留学生30万人計画」として知られている学生の国際交流プロジェクトは、2008年に開始され、2020年までにその数を達成することを目的に掲げています。日本の研究のグローバル化に向けたもう一つの重要なプロジェクトに、「グローバル30」があります。グローバル30は、2009年に文部科学省が立ち上げ、国際化のために30の中心大学を確立することを目的としています。このプロジェクトを通じて、言葉の壁が壊され、多くの英語の研究プログラムが提供されています。
では、ここまでの対策を取り組む事によって学術研究の未来はどうなるでしょうか?
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